営業に商品説明って必要ですか?


□ 営業マンがお客様に取り扱い商品の説明をするのは当たり前だ

 もしあなたが現役営業マンもしくはマネージャー、経営者で、どれか一つでも当てはまるのなら、ぜひ続きを読んでください。
 お客様は営業マンから商品の話を聞きたいわけではありません。

 

 私が実践してきた「商品説明ゼロ」の営業スタイルは、あることがきっかけで偶然生まれました。誰でも自分自身が営業される側に立てば知っていることばかりです。しかし、なぜか営業サイドに立つとそのことが見えなくなってしまう人が沢山います。

 

 私がそのことに気づいたのは、自動車ディーラーに入って間もない23歳の頃、勉強のために他社のショールームをまわっているときのことでした。その頃の私は、自分の扱う商品(イタリア車)の知識が全くない、というよりは、車そのものの知識がなく、ボンネットとバンパーの区別がつかないような状態でした。ただ、たまたま、私が掛けた言葉がきっかけであるお客様を怒らせてしまい、「このままじゃいけない」と思って、ワラにもすがる思いで始めたのが他社のショールームめぐり。他の店で色々なスタッフの声のかけ方を学ぼうと思ったのです。

 

 私は休みの関係もあって、ショールームを訪れるのは平日の昼間。すると、ほとんどの店では営業マンが不在か、店長らしき人しか残っていません。だから最初に声を掛けてくれるのはカウンターの女性で、「いらっしゃいませ」の後はしばらく放置。車に乗り込んだり、真剣に見始めると奥から店長らしき年配の男性がラフな感じで出てきて大体、こう言うのです。

 

写真

 「買い替えですか?」

 

  そこで面白いのは、「いえ、そういうワケでもないんですけど」と答えても「ええ、そうですね。」と答えても、どちらにしても車の説明が始まり、その後キャンペーンや値引きの話が出て、試乗や見積を進められる、という流れになるのです。最初の内は特に疑問にも思わず、勧められるままにカタログを受け取り、試乗をして、などと、それはそれで楽しんでいました。
やっていたことはいたって簡単です。休日に3社ほどディーラーをまわり、その日の接客をノートに書きとめ、使えそうなフレーズは自分が接客するときに使ってみるだけ。しかし、ある日そのノートを見ていてふと疑問に思うことがありました。

 

 「私、商品説明聞きたいなんて言ってないよね。なんでみんな同じ話するんだろう?」

 

 よく考えてみると、自社の営業マンもほとんど同じように話しかけていました。でも、私は車の商品知識がないから、同じように話ができないのです。それどころか、できる限り車の話には触れたくないし、聞かれたくない。

 

 そんなときに若い男性のお客様が来られました。年が近いこともあって、話し易かったのもあるのですが、「車、好きなんですか?」「こういう車に乗ったら、走りたい場所ってあるんですか?」「せっかくだったら、ステキな場所に停めて写真撮りたいですよね」なんて会話をしました。それが予想以上に盛り上がり、初めてお客様と30分くらい話すことができたのです。
ほとんど説明などしていないにも関わらず、数日後、その男性は車を契約してくれました。

 

 その経験から気づいたのは、お客様は商品の話を聞きたいワケじゃない。このクルマに乗ってどこへ行きたいのか、つまり「商品を手に入れたら、どんな未来が待っているのか」それが聞けたら喜んでくれる、ということでした。こうして私の「商品説明ゼロ」の営業スタイルは生まれたのです。

 

 

 

商品を語るな。ストーリーを語れ!

 

行き詰ったセールス手法を見直してみませんか?

 

次ページ 「営業力は世界を救う!」へ

 

取材・講演・研修のご依頼

講演概要ダウンロード

志縁塾